半導体用語集
BGA
英語表記:Ball Grid Array
外部端子がはんだボールで形成され,二次元的に配置された表面実装型パッケージの総称(図1)。
BGAは1989年にMotrola社とシチズン時計がOMPAC(Over Molded Pad Array Carrier)と呼ぷパッケージを共同開発したのが始まりである。1991年にMotrola社が自社のページングシステム(ページャともいう),トランシーバなどのマイコン,ROM,RAMなどに採用し,1992年にCompaq社が,パソコンのCMOSゲートアレーに採用したことで大きく市場が形成された。
BGAの特徴は,端子数増加とパッケージ小型化が容易であること,狭リードピッチのQFPなどと比較し,実装歩留りを高くできること,優れた電気特性の実現が可能であることなどがあげられる。なお,EIAJ(Electronic Industries Association of Japan,日本電子機械工業会)の半導体パッケージ標準化委員会では,ボールピッチが1.0mm以上をBGA,0.8mm以下をFBGA(Fine-pitch BGA)と区別している。
QFP(Quad Flat Package)のような表面実装型パッケージでは,外部端子の出し方が一次元的であるのに対し,BGAは二次元的であるため,全体外形寸法を小さくできる。そのため実装密度の向上を図ることができ,同ー外形寸法であれば多端子に対応できる。また,狭ピッチ(0.4mmピッチ程度)のQFPの場合と比較しても,同一端子数の場合,ボールピッチを広くできる。実装においても,セルフアライメント効果により高い実装歩留りが実現できる。セルフアライメント効果は,基板上でパッケージが少々位置ずれをして搭載されても,溶融はんだボールの表面張力が駆動力となり,所定の位置に戻ってはんだ付けされる現象である。電気的特性においては,チップから外部端子まで電気配線されるインタポーザ部,すなわちプリント基板やテープ基板を多層構造とすることにより,信号線のインピーダンス整合を図り,信号波形を維持できる。また,電源,グランドを強化して低インダクタンスを達成し,ノイズを防止できる。特にこれら電気的特性は高周波領域で効果を発揮するため,動作周波数の上昇にも対応が可能である。
インタポーザの種類,チップとインタポーザの接続方法,封止方法などの違いにより様々なタイプのBGAがあるが,一般的にインタポーザにプリン卜基板を用いたタイプをPBGA(Plastic BGA),ポリイミドなどのテープを用いたタイプをTBGA(Tape BGA)と呼んでいる。
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