半導体用語集
ダマシンプロセス
英語表記:damascene process
従来の配線形成プロセスは、主としてAIなどの金属薄膜をドライエッチ技術により加工し、引き続いて絶縁膜(層間絶縁膜)を成膜した後、絶縁膜CMP技術などの平坦化技術を駆使して多層配線構造を作っていた。この際重要になるのは、微細ピッチ形成のための加工技術と微細スペースを埋めるためのgap fill(埋め込み)技術である。新技術としては高密度プラズマを用いた絶縁膜形成技術(HDP技術)などが必要となる。一方ダマシン技術は80年代より提唱された検討が進められてきた。プロセスとしては、絶縁膜を全面に形成した後、配線溝(および微細孔)を形成し、金属膜を埋め込む。その後不要な金属膜をCMP技術を用いて除去し、埋め込み配線を形成するというものである。ダマシン技術には大別すると、配線溝と微細孔を形成した後これらを同時に金属膜で埋め込むデュアルダマシン法(dual damascene法)および微細孔と配線溝を別々に形成し別々に埋め込むシングルダマシン法(single damascene法) とがある。工程数を比較するとデュアルダマシン法が有利であるが、技術的には困難であり、特に微細孔部分のアスペクトが大きくなるため、金属膜埋め込み技術に負担がかかる。
要素技術として、まず微細溝(および孔)形成技術では(特に深さ制御が重要)である。場合によってはSiN などのストッパ膜を敷くケースもある。金属膜埋め込み技術としては、リフロースパッタ技術、メタルCVD技術、金属メッキ技術などが必要になる。また埋め込む材料も、W膜の他、Al膜、Cu膜など多岐にわたり、特にCu膜を用いた配線技術としては、ドライエッチが原理的に困難であることから、ダマシン技術が必須となる。これらの材料に伴ってメタルCMP技術も重要であり、特にAl膜、Cu膜に関してはスクラッチ、コロージョン対策など難易度は高い。
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