半導体用語集
ヘテロ接合
英語表記:hetero junction
二つの異なる物質を急峻な界面で接合したもの、あるいはその境界部分をいう。半導体/半導体、半導体/絶縁体、半導体/金属接合などがある。通常、GaAs/AlGaAsなどのように格子定数の近い格子整合系の異種半導体によって形成されるが、格子定数のある程度異なる格子不整合系でも良質のヘテロ接合は得られる。へテロ接合の形成には、分子線エピタキシャル成長(MBE)法や有機金属気相成長(MOCVD)法が用いられる。へテロ接合では、2種類の半導体の伝導帯下端あるいは価電子帯上端に不連続が生じ、このエネルギー障壁をキャリアの閉じ込めに利用できる。さらにヘテロ接合を数~数10原子層厚の一定周期で繰り返すことで、従来のバルクにはない物性を有する超格子という人工物質が実現できる。超格子によりキャリアの閉し込めばかりでなく、量子効果の多彩な利用が可能となり、これまでにない新たな機能を有するデバイスの開発が可能となった。 へテロ接合を利用したデバイスとしては、ダブルへテロ接合レーザ、へテロ接合型電界効果型トランジスタ、へテロ接合型バイボーラトランジスタ、量子井戸レーザ、共鳴トンネルダイオードなどが知られている。
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