半導体用語集

抵抗

英語表記:resistivity

Wは高融点金属の中では抵抗が低く、バルクの比抵抗は、5.5μΩ・cmである。しかし、通常使用されるW-CVDで形成される薄膜の比抵抗はこれよりも大きく、100nm程度の膜厚では、10~20μΩ・cmの値を示す場合が多い。このように、薄膜で抵抗が上昇するのは、(1)形成された薄膜が多結晶体であるためグレインの界面での電子散亂が影響、(2)膜中の不純物の影響、が大きいためであり、膜形成の堆積温度、ガス系、流量比などに強く 依存する。たとえば、シラン還元で W膜を形成する場合、比抵抗はWF6 とSiH4の流量比に依存することが知られており、SiH4、流量が少ない時には10~20μmΩ・cm程度のWが形成されるが、SiH4流量が増すにつれて膜中のSiの濃度が増加し比抵抗も上昇していく。Siの含有量が2at%以上に増加すると、比抵抗は50μmΩ・cmに達し、結晶構造も β-Wに変わっていくことが報告されている。W薄膜の抵抗値は、LSIの低抵抗配線で主に使われるAl (比抵抗~3μΩ・cm) とくらべると3倍以上大きいが、ゲート電極などの高耐熱配線に用いられるシリサイドと比較すると十分に小さい。したがって、Wは高耐熱性を備えた低抵抗配線として比較的短距離な配線で用いられる場合がある。また、Wはメタルプラグの用途として、最も広く使われている材料である。



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