半導体用語集

歩留り

英語表記:yield

 半導体チップの理論収量に対する良品の比率を指す。総合歩留りは、前工程歩留りと後工程歩留りとの積によって算定される。歩留りは、半導体ICのコストを決定する最も重要な要素の一つである。歩留りが低下する局面は、主に、(1)新製品を投入する時、(2)製造面で新技術を導入する時である。
 新しいICの生産を開始する初期段階の歩留りは30%以下に留まることは少なくない。この間は、ウェハ(材料)投入を少量に押えることが多い。歩留りが50~60%以上のレベルに安定するようになると、メーカーはウェハ投入量を次第に増やしていくことになる。DRAMなどでは、量産現場で実現可能な最高の総合歩留り(限界歩留りと呼ばれる)は85~90%程度であると考えられる。しかし、これは1990年代から冗長回路を入れることで達成されたものであり、冗長回路が使いにくいロジックなどでは、70~80%に留まることも多い。限界歩留りまで、歩留りが上昇すると、ドラスティックなコスト削減は難しくなる。
 歩留りを短期間で改善させる垂直立ち上げの要求が高まっている。製造装置の性能向上に加えて、検査装置を中心とするイールドマネージメントの進化により、歩留り改善は以前より急ピッチで進むようになっている。一方では、システムLSIなどでは、歩留りを単純に最大化するのではなく、必要アウトプットを確保できるあるレベルに収束することが重要である。

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