半導体用語集

SC2

英語表記:Standard Clean 2

塩酸水と過酸化水素水と水の混合溶液のことを指し、主としてシリコンウェハ上に付着している金属不純物を除去するための洗浄溶液として用いられる。SC2とはSC1と同様に、Standard Clean 2の略で、Kernらによって提唱されたRCA洗浄法において、
SC 1処理の後に用いられる洗浄溶液である。したがって、SC 1処理で除去することができなかったアルカリ金属や重金属などの金属不純物、またはそれらの酸化物が洗浄対象となる。この時シリコン表面にはSCI処理で形成された化学酸化膜が形成されているが、不純物がこのような酸化膜中に取り込まれている場合には、SC2処理でこれらを除去することは難しい。したがって、SC2処理の前にフッ酸溶液処理によって表面の化学酸化膜の除去を行う場合がある。この洗浄溶液の典型的な使用条件は、組成比が体積比で塩酸水(36wt%)が1、過酸化水素水(30wt%)が1、水が5で、処理温度は60~80℃、処理時間10分である。一般に金属は強酸溶液中で容易にイオン化し、安定に存在しうるので、SC2のような塩酸を含む強酸溶液中ではシリコン表面上に付着している金属不純物は、溶液中にイオン化、溶出する。実際、SC2溶液に過酸化水素水を添加しない塩酸溶液処理によっても良好な金属不純物除去特性がえられることが示されているが、貴金属 (ここでは水素の酸化還元電位よりも大きな酸化還元電位を持つ金属、たとえばCu、Ag、ALI、ptなどであるが、実際に半導体製造工程で問題となる可能性が高い(u)は溶解、除去はおろか、溶液中にそれら貴金属イオンが存在するとシリコン表面に容易に吸着する。これは貴金属イオンは大きな酸化還元電位を持っため、シリコン表面から電子を奪い,還元され金属としてシリコン表面に付着するものと理解されている。したがってこのような金属不純物は,酸化剤である過酸化水素水を添加し,この金属を強制的に酸化して除去する。また同時にシリコン表面も酸化され,化学的に安定,かっ清浄な厚さInmはどの化学酸化膜が形成されるので,この酸化膜が表面を再汚染から保護する作用もある。このようにSC2処理は金属不純物の除去には有効であるが、パーティクルの除去はまったく期待できないので、洗浄溶液中にパーティクルが含まれないように注意しなければならない。


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