半導体用語集
ポリイミド
英語表記:PI : Polyimide
膜中にイミド結合を持つ樹脂材料。ポリイミドはLSIのウェハコート材などに用いられており、また早くから多層配線用層間絶縁膜としても検討されてきた。ジアミン(diamine)とジアンハイドライド(dianhydride)とから合成されるが、通常のポリイミドは吸湿性が高く、耐熱性も低い。 誘電率は、 吸湿すると容易にシリコン酸化膜より高くなる。 耐熱性の向上のため、芳香族原料を用い合成したべンゼン環を持つ芳香族ポリイミド (aromatic PI) や、さらに比誘電率の低減および吸湿性の低減のためにフッ素を導入したフッ素化ポリイミド (aromatic FPI)が検討されている(図1)。
比誘電率は, フッ素を含まない場合で3.0から3.5程度であり、フッ素を含む場合は2.8から3.0程度となる。 ガラス転移点はフッ素を含むことで高くなるが、350℃から420℃程度である。また、膜中の分子配列の状態によっては誘電率の異方性を示す場合がある。さらに、 耐熱性や酸化膜との密着性を高めるため、シロキサン結合を導入したシロキサン変性ポリイミドも報告されている。 塗布後の熱処理により、シロキサン結合が三次元架橋を形成することで、耐熱性などが向上する。比誘電率は3.0から3.5程度である。
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