半導体用語集
現像
英語表記:development
フォトレジストの現像液としては、テトラメチルアンモニウハイドロオキ サイド(tetramethylammonium hydroxide : TMAH)の2.38%水溶液が広く用いられている。必要に応じてノニオン系(non-ion系)界面活性剤が添加され、現像液の濡れ性の改善およびスカムの低減が図られる場合もある。現像工程は、現像→純水によるリンス(現像停止)→乾燥の流れが一般的である。パドル現像法やスプレー現像の場合、現像前に純水でレジスト表面を濡らした後(プリウェット)、現像液に置換する方法が用いられる場合がある。 レジストの感度は現像液温度に依存するため、現像液温度を一定に保つことが必要となる。
(1)ディップ(dip)現像
現像液槽にウェハ全体を浸して現像する方法。現像後は純水槽にウェハ全体を浸しリンスを行い、その後、ヒータなどで乾燥を行う。キャリア(カセット)に複数枚のウェハをセットし、 一度に現像することができるため、処理能力が高い。キャリアに複数枚のウェハをセットした場合、ウェハの場所による現像液の淀みが起きやすく現像分布が悪化しやすいので,現像液槽内での現像液の撹拌ないしポンプによる現像液の循環を行った方がよい。ディップ現像の場合、槽内の同一現像液を何度も使用することが多いため、槽内の現像液に溶出したレジストによるpHの低下や溶出したノボラック樹脂の界面活性剤効果によって現像速度が変わる場合がある。したがって、槽内の現像液の交換頻度については注意が必要となる。
(2)パドル(puddle)現像
ウェハ上に現像液を表面張力を利用して盛り、静止状態で現像する方法。半導体の現像方法として最も一般的な方法。スピン現像カップでウェハを回転させながら現像液を供給・液盛りを行い、その後、所定時間静止させて現像を行う。現像後、純水を供給しながら再びウェハを回転させリンスを行い、その後、純水を停止してスピン乾 燥を行う。現像液の供給方法としては、ノズルより滴下する方法とスプレーで供給する方法(スプレーパドル) がある。ディップ現像にくらべ、ウェハごとに新鮮な現像液が供給されるため、ウェハ間の現像はばらつきが少ない。パドル現像の場合、現像分布は現像液の供給方法に依存しやすい。一般的なパドル現像では、上記のようにウェハを回転させながら現像液を供給するため、ウェハの中心部分の現像速度が早くなる傾向を示す。これらの改善として、スリット状のノズルをウェハ静止状態でスキャンさせて現像液盛りを行う方法が試みられている。
(3)スプレー(spray)現像
ウェハを回転させながら、現像液をスプレー状に吹きつけて行う現像方法。スピン現像カップでウェハを回転させながらスプレーノズルより現像液を吹きつけ、その後、純水を供給してリンスを行い、純水を停止してスピン乾燥を行う。
スプレー現像の場合、スプレーノズルより扇状に現像液を供給するが、この時の現像液供給分布が現像分布に大きく影響を与える。また、現像液がミスト状になって供給されるため、現像液温度の制御が難しい。
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