半導体用語集

MMIC

英語表記:Monolithic Microwave Integrated Circuit

 トランジスタなどの能動素子と、容量や抵抗、インダクタなどの受動素子が、同一の半導体基板上に形成された高周波集積回路。能動素子と受動素子が個別に実装されているものと比較して、小型・軽量であり、高周波特性も良好である。ただし、半導体プロセスは一般にコストが高いため、受動素子に大きな面積が必要となる場合は、コスト的に不利になる。能動素子、受動素子をそれぞれ個別に作製し、それらを同一の半絶縁性基板上に実装した回路はHMIC(Hybrid Microwave Integrated Circuit)、もしくはHIC(Hybrid Integrated Circuit)と呼ばれ、また、単にMIC(Microwave Integrated Circuit)と呼ぶこともある。この場合、半絶縁性基板にはアルミナなどが用いられる。低い周波数帯域では、受動素子を半導体基板上に半導体プロセス工程を用いて作製しようとすると、一般に大面積が必要となるため、1GHz以下の周波数帯域では主にHMICが用いられる。MMICには、半導体の裏面に接地導体を持つマイクロストリップ型と、素子と同じ表面に接地導体を持つコプレーナ型がある。マイクロストリップ型はこれまでの使用実績が高いこともあり、CAD設計ツールもよく整備されており最も一般的に採用されている。しかし、この方法では接地するためには基板を貫通するビアホールを空けて接続しなければならず、このビアホールのインダクタンスが無視できない高周波帯域では、半導体表面でただちに接地できるコプレーナ型が有利である。また、チップ面積の小型化にもコプレーナ型は適しており、今後、コプレーナ型がより一般的になっていくと考えられる。さらに、次世代MMIC構造として、チップの大幅な小型化・高集積化を目的とした三次元MMICも開発されている。


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モノリシックマイクロ波IC(MMIC)市場シェア、成長、トレンド、見通し2023-2032

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