半導体用語集
ダイシング
英語表記:dicing
ダイシングとは,ダイヤモンド砥粒を埋め込んだ砥石を高速回転で回転させながらウェハを切削し,半導体素子
(チップ)に分離,分割すること。ダイシングで使用する砥石は,ブレード(blade)と呼ばれる。ブレードは,ウェハを切削するダイヤモンドの砥粒と,砥粒を保持する結合材で構成されている。ブレード幅は,30~50µmのものが主流である。ブレードによりウェハを機械的に削ることにより,ブレード幅分のウェハが損失するため,ダイシングに必要なエリアをウェハに設けておく必要がある。このエリアをストリートと呼び,ダイシングブレード幅,切削精度,素子へのダメージを考慮し80~150µm程度の幅を設けている。ダイシングは,ウェハにブレードが切り込む量によって,ハーフカットとフルカットの二方法に分けられる。ハーフカットとは,ウェハ厚さの途中の深さまで切り込む方式で,ダイシング後に未切断の厚さ分を割る工程(ブレーキング)が必要になる。これに対しフルカットとは,素子が完全に分離するまでの深さを切り込む方式で,分離した後のチップがバラバラにならないように,ダイシング前にダイシングテープと呼ばれるテープを用いて,ウェハとフラットリングと呼ばれる治具を接着固定する工程(ウェハマウント)が必要である。フルカットの方が,素子になってからの断面形状および裏面形状が一定であり,素子の強度が安定していること,ブレーキング時に発生するくずの発生が少ないことなどの理由から,現在ではハーフカットよりも主流になっている。ダイシングは機械的な加工であるので,切削部の周辺にチッピング(chipping;カケ)が発生する。ウェハ表面側に発生するチッピング(表面チッピング)と,裏面側に発生するチッピング(裏面チッピング)がある。チッピングは,ブレードの粒径およぴ加工条件などによってほぼ決定するが,ブレードに異常が発生するとチッピングが多発する。また,チッピングは,ウェハ表面上の形成膜およびダイシングテープなどを切り込むことでブレードの切削性が悪化することでも多発する。特にウェハ表面上の形成膜によるチッピングについては,デュアルダイサ(2軸のブレードを持つダイサ)でステップカット方法(1軸で形成膜を除去後に,2軸でフルカットする方法)によりダイシングすることで改善されるため,ダイシング方法として採用しているメーカーもある。ステップカット方法として1軸のブレード先端をテーパ加工したもので切断する(べベルカット方式)ことでチップ上面にテーパを設ける検討をしているメーカーもある。
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