半導体用語集

アニール

英語表記:anneal

 熱非平衡状態の物質を熱的に緩和させる方法。シリコン結晶に不純物をイオン注入した後は、典型的な熱的非平衡状態にあり、このままでは不純物は電気的に非活性である。これを必要な温度で十分活性化させなければ、電気デバイスとして動作させることができない。アニールは通常、いわゆる電気炉を用いて、900℃前後で数10分行う。アニールの際には必ず不純物の濃度の高い部分から低い部分へ、つまり通常はイオン注入を行った表面近傍から結晶の奥の部分へ拡散が伴う。このことは、アニール後にでき上がる接合はプラズマドーピングやイオン注入で導入された不純物の深さよりも深くなるということである。近年デバイスのサイズが微細化してきたため、接合が必要以上に深くなることは許されない。このために高温できわめて短時間の内にアニールする技術がRTA(Rapid Thermal Annealing)である。この技術は典型的には1,000℃前後で10秒程度アニールする。この技術をもってしても、TED(Transfer Enhanced Diffusion)による拡散は防止できず、多くの研究者がTEDのメカニズムを論じてきた。幸いきわめて浅い接合を作るために開発してきた、プラズマドーピングやデカボラン注入ではTEDがみられない。ごく最近では550℃で数時間アニールすることによってほとんど拡散を起こさずに必要最低限のキャリア活性化を実現し、0.1µmデバイスに適用した実例がある。この場合には結晶欠陥の回復に今のところ難しさがあり、接合のリーク電流は十分低いレベルに至っていない。また、長時間の拡散はコストメリットに疑問がある。


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