半導体用語集
アニール
英語表記:annealing
半導体に不純物原子を導入する方法の一つとして,イオン注入技術は高い制御精度で不純物を導入できることから,シリコンの場合と同様に化合物半導体においても素子の作成に不可欠な技術となっている。しかしイオン注入では注入時に結晶欠陥が導入されるため,イオン注入工程に引き続き,高温の加熱処理を行って固相エピタキシーにより欠陥を回復させ,合わせて注入不純物を電気的に活性化するアニール技術が重要となる。
化合物半導体をアニールする場合,たとえばGaAsでは700~800℃程度のアニール温度が要求されるが,このように高いアニール温度ではⅤ族元素の蒸気圧が高いため,Ⅴ族元素の解離を防止する対策が必要となる。代表的なⅤ族元素の解離防止策として,保護膜アニール,蒸気圧を制御した雰囲気中でのキャップレスアニール,短時間アニ一ルなどの方法があげられる。
アニール時に用いられる保護膜には,(1)保護膜と結晶との熱膨張係数が近い値を持ち,歪が小さいこと,(2)保護膜と結晶との密着性が優れていること,(3)保護膜にピンホールやクラックがないこと,(4)保護膜と半導体結晶との間で構成元素の相互拡散がないこと,(5)保護膜は導入した不純物の外部拡散に対して十分高いバリア性を持つことなどが要求されるが,一種類の保護膜でこれらすべての要求を満たすのは困難であり,保護膜は目的に応じて使い分けられる。保護膜としてSiO₂膜,Si₃N₄膜およびこれらの二重膜・複合膜がしばしば利用される。
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